肝臓に負担をかけずに酒を飲むには?
適量を知り、水・野菜を摂取しながら酒を飲む
酒にはリラックス作用や血行促進作用など有益な働きもたくさんあります。
適度な量を守っていれば、酒は寿命を延ばす「百薬の長」であることも事実です。
肝臓に負担をかけない酒の適量をよく知っておきましょう。
『健康日本21(※)』で推奨されている1日の適量は次の通りです。
- ビール……中瓶1本
- 日本酒……1合
- チューハイ……350ミリリットル缶1本
- ウイスキー……ダブル1杯
そして、飲み方を少し工夫するだけで、 肝臓への負担を少なくすることができます。
- 強い酒は、水と交互に飲む (チェイサー・やわらぎ水)。
- タンパク質・ビタミン・食物繊維を含む
食品をつまみにする。 - なるべく会話をしながらゆっくり飲む。
- 週に2日は休肝日をつくり、肝臓を休ませる。
食物繊維を多く含む食品は、 アルコールの吸収を緩やかにします。
飲酒時には、野菜をたっぷり食べ、 高カロリーの物を控えると、 脂肪肝を防ぎ、肝臓への負担を 減らすことができます。

酒の飲み過ぎが肝臓によくないのはなぜ?
有害物質が肝臓を傷つけ脂肪蓄積を促すため
体内にアルコールが入ると、肝臓で酵素が働いて「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。
アセトアルデヒドは人体に有害な物質ですが、最終的には水と二酸化炭素にまで分解され、 体外に排出されます。
しかし、過剰に飲酒すると、アセトアルデヒドが多量につくられることにより、悪影響を及ぼします。
飲み過ぎで頭痛や吐き気が起こるのは、アセトアルデヒドの強い毒性が原因。
アセトアルデヒドは活性酸素を介して肝細胞を傷つけ、さらには脂肪の分解を抑制し、 肝臓に中性脂肪の蓄積を促します。そのため、長期の過剰飲酒は、まず脂肪肝を招き、 多くのトラブルにつながります。
特に肥満傾向にある人は、過剰飲酒で脂肪を蓄積しやすいため、飲酒量の見直しが必要です。
胃腸薬の選び方
二日酔いに効く薬ってあるの?
残念ながら、二日酔いになった人すべてに効く薬というのはありません。
ただし、それぞれの症状に応じた薬を服用することで、つらい症状をやわらげることはできます。
胃痛や胃の膨満感、吐き気、食欲不振などには、アルコールで傷ついた胃腸の粘膜を 修復する作用のある胃薬を選ぶとよいでしょう。
頭痛には鎮痛剤が有効ですが、種類によっては空腹時に服用すると胃を荒らす可能性がありますから、 消化のよい食べ物を少しでも摂ってから服用するようにしてください。
いっしょに胃腸薬を服用するのも効果的です。
