熱中症とは
熱中症とは、体温を調節する機能が狂ったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることによって、めまいや頭痛・けいれん・意識障害などの症状が起こることです。
熱中症の原因
気温の高い環境にいることで体温を調節する機能が狂ったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起こる、めまいや頭痛、けいれん、意識障害などの症状をまとめて「熱中症」といいます。
熱中症を引き起こす要因には、「環境」によるものと「からだ」によるものがあります。
- 熱が放出されず体内にこもることで症状が起こる
- ~体温調節機能の乱れや、体内の水分が失われることが原因に~
運動や作業をすると私たちのからだの中で熱が生まれます。
ただし、人間のからだには体温調節機能が備わっているため、体温が上がり過ぎたときには、自律神経の働きによって末梢の血管が拡張し、皮膚に多くの血液が流れ込むことで熱をからだの外に放出します。
同時に、体温が上がったら汗をかき、その汗が蒸発するときにからだの表面から熱を奪うことで、上がった体温を下げようと働きます。
ところが、あまりに暑い環境に長くいると、体温調節機能が乱れて体外への熱の放出ができなくなり、体内に熱がこもって体温が上昇します。
また、急激に大量の汗をかくと、体内の水分と塩分が失われ、体液のバランスが崩れてしまいます。それが筋肉や血流、神経などからだのさまざまな部分に影響をおよぼすと、けいれんやめまい、失神、頭痛、吐き気といった熱中症の症状があらわれるのです。 - 筋肉のけいれんや立ちくらみ、頭痛などがみられたら注意
- ~熱中症の症状と重症度~
熱中症は、軽い症状から命にかかわる重症なものまで、段階的にいくつかの症状がみられます軽いものでは、立ちあがったときなどにクラッとする立ちくらみや、呼吸や脈が速くなる、くちびるのしびれなどがあらわれることがあります。
また、大量の汗をかいて体内の水分と塩分が不足すると、足や腕、腹などの筋肉に痛みを伴うけいれんが起こることがあります。
ほかにも、脱水症状によってだるさ、頭痛、めまい、吐き気などの症状が見られることも。
さらに症状が進むと、40度以上の高熱、意識障害、けいれん、異常行動などを起こすことがあり、この状態を熱射病といいます。
脳内の温度が上昇することで中枢神経に異常が起こり、からだのさまざまな臓器に障害が出て、命を落とすこともある危険な状態です。 -
~最初は体温が上がらないことも~
熱中症になっても、軽症のうちは体温が高くならないこともあります。
ただし、最初は軽症でも、放置するとあっという間に重症化することもあるため、油断は禁物。
「熱が高くないから大丈夫」と思い込まず、ほかのからだの症状をよく観察しましょう。
「おかしい」と感じることがあったらまずは体温を測ることをおすすめします。
ふだんより1度以上高い場合は要注意。涼しいところで横になるなどしてからだを休め、熱が下がるまで様子をみましょう。
熱中症は、重症化すると命にかかわることもあるこわい症状です。
日常生活の工夫やちょっとした注意を忘れず、予防を心がけましょう。
熱中症の症状がみられたら、まずは涼しいところで安静に過ごし、水分補給を。
それでよくならない場合や重症の場合はすぐ受診しましょう。
引用元
第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」より
http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/31_nettyusyo/